ある活動後のリーダーふりかえり…。
  
  「自分の感覚や判断で子どもに対して言う『やめて』と、
  ルールで決まっているから言わないといけない『やめて』では、
  自分の気持ちが全然違った…。」と発言したリーダーの言葉があった。
  
  また別のリーダーは、
  「ルールで決まっているから止めやすかった。」との言葉もあった。
  
  それぞれの言葉にリーダー達は共感し、
  「安全管理とルール」について考えたふりかえりとなった。
  
  
  
  そもそもガイア自然学校の活動では、
  全体で決められた禁止ルールというものは、学校などに比べて
  かなり少ないと思う。最小限にしているのだ。
  なぜだと思われるだろうか。
  
  
  
  第一に子どもたちにとって、ルールばかりで縛られては楽しくないからだ。
  
  自由こそ楽しみだし、自由に伴う責任も学んでほしい。
  自由だからこそ自分から楽しいあそびを見つけてほしい、
  主体的に生きることのできる大人になってほしいからだ。
  もうひとつは、子どもとリーダーが成長するためだ。
  
  「ルールがないと危険じゃないの?」と思う方もいると思うし、
  その方法を否定するつもりはない。
  しかしルールがたくさんあることにより、
  何も見極めず、考えず、子どもを止めてしまうことの繰り返しによる
  リーダー一人ひとりの安全管理能力の低下を防ぎたい。
  
  また、子ども自身が危険を察知し、回避する能力を育てたい。
  
  ある子にとっては楽しく遊べる場所も、
  別の子にとってはとても危険だという状況を、
  画一的にルールとして禁止してしまうことは、
  子ども自身の様々な体験を奪ってしまうことにもなる。
  
  
  
  ガイアの安全管理は、リーダー一人ひとりの能力を大切にして育てながら、
  子どもたちとのコミュニケーションをとり続けることによって
  成り立っているのだと思う。

  
  別の言い方をすれば、リーダー一人ひとりの安全管理能力や
  コミュニケーション能力が下がっていけば、
  禁止ルールを増やしていかざるを得ない、ということだ。
  
  子どもたちのため、自分たちのためにも、禁止ルールは増やしたくない。
  
  そのためには、安全管理について日々の研修や活動で考えつづけ、
  議論しつづけ、改善しつづけなければいけないと思う。
  
  会員の親御様からのご意見も真摯に受け止め議論し、
  よりよい場づくりにつなげたいのだ。
  
  思ったこと感じたことがあれば、ぜひご意見いいただきたいと思います。
  【文:守屋 謙】