人と人との関係の深さは、その人と出会ってからの時間や
  一緒に過ごした時間に比例するとは限らない。

  
  
  こう思うようになったのは自分の経験によるところが大きい。
  
  学生時代に一人旅で訪れたタイで、
  同じように一人旅をしていた人と出会い、数日間行動を共にした。
  先月、その友人と東京で会い、
  熱くお互いの人生を語り合い聴き合い、再会を誓って別れた。
  何年も前に少し関わった彼とまた会おうと思ったのは何故だろう。
  二人の関係の中には何があったのだろう。
  ただ馬が合うということだけではない何かがあったのだ。
  
  それは、「良いコミュニケーション」だと思った。
  
  僕が思う良いコミュニケーションとは
  それぞれが思っている本音をちゃんと言葉にし、
  聴きあって受けとめ合うことだ。

  
  それは、向かい合った二人が自分のことを
  ただ言い放ち合う雑談とは全く別のものである。
  
  相手のことをわかろう、理解しようとする姿勢があれば
  会話や関係の質は変わるということを、彼との再会で改めて認識した。
  
  
  学校でも職場でも家庭でも、
  人の悩みの多くが人間関係から起こることだと思う。
  誰かに対する不満やマイナス感情を
  自分の中にため込んでいると、苦しくなるものだ。
  本人に言えずに第三者に言うと、悪口陰口になってしまい悪循環に陥りやすい。
  言葉にせず態度だけで表現すれば、すれちがいやすい。
  仮面をかぶり続ける夫婦は、いつか崩壊する・・・
  
  
  大人になると「良いコミュニケーション」をとれなくなることが多い。
  その点、子どもは正直だ。子どもから気づかされ、学ぶことはたくさんある。
  子どもたちと接する時、自分も子どものように素直に正直になれる。
  
  5月のガイアキッズで初めて顔を合わせたO君とK君は、
  捕まえたアオダイショウの取り合いでケンカした。
  自分のものだと主張するそれぞれの気持ちをぶつけ合った。
  やせ我慢したり気持ちにフタをして譲ったりしないのだ。
  その後、もう一匹を探しに行くことになり、見事二匹目を捕まえた。
  
  お互いが袋に入れたアオダイショウを眺めながらのお弁当。
  おかずを交換しながら、
  
  「今から仲間な。」「わかった。」のやりとり。
  
  いいなぁ、美しいなぁと感じて嬉しくなった。
  
  
  子どもたちにとって、キャンプは旅のような非日常体験だ。
  
  豊かな自然に抱かれ、ありのままの自分を出し、認め合ってできる仲間は宝物。
  
  子どもたちがガイア自然学校で巡り会い、
  新しい友達を作れるよう応援したい!
  【文:守屋 謙】