盛夏である。子ども達にとって、楽しい楽しい夏休み。
  そんな夏休みにガイアのキャンプに我が子を行かせる親の想いはどんなものだろうか?
  
  
  まず安全であること。大きな怪我をせずに帰ってくること。
  そして、楽しんで帰ってくること。良い思い出を作ってくれること。
  これらが、最低限期待されていると感じていることだ。
  
  だが、そこにとどまらず親が期待していること、
  そしてガイア自然学校が行うキャンプの目的でもあることは、
  子ども達の成長、そして子どもと関わる大人達の人間的成長だろう。
  
  
  成長と一言で言っても、様々なものがある。
  
  できなかったことが、できるようになること。
  例えば火付けやテントたて、魚釣りや飛込みなど、
  自然の中でのあそびや生活の中に、挑戦できるチャンスはたくさんある。
  周りの子ども達が自分なりに挑戦する姿が、
  その子の背中を押してくれたりする場、安全を見守ってくれる大人もいる場は、
  一歩踏み出して挑戦しやすい環境だと思う。
  
  人との関わりの中での心の成長。
  例えば、やりたいこと、嫌なことなど自分が思っていることをきちんと言えること、
  人の気持ちや考えをきちんと聴けること、
  そんな中で周りとの人間関係を作っていくことだ。
  
  わずか数日のキャンプで、
  どれだけ子ども達が成長するのか、疑問に思う親もいるかもしれない。
  たしかにそうならないこともある。
  だが、キャンプという非日常体験の中で、僕は今まで何度も子ども達の変化を見てきたし、
  彼らの持つ力の素晴らしさに感動してきた。可能性は無限大だ。
  
  
  先の沖縄無人島キャンプ。
  珊瑚礁の海や、無人島の自由さも素晴らしいが、
  長期キャンプならではの子ども達の変化や人間関係の変化が何よりおもしろかった。
  
  ある子の誕生日にサプライズで魚のフライをプレゼントしたり、
  テントを一人でたてた子に対抗して、一人でたたむ子がいたり、
  優しさやたくましさがたくさん発揮されていた。
  
  また今年は台風の影響で無人島を脱出し、渡嘉敷島でのキャンプとなった。
  しかし、そこでも子ども達は、
  「自分たちではどうしようもないことに文句を言うばかり」ではなく、
  「与えられた環境の中で楽しいことを見つけていく力」を発揮してくれた。
  
  キャンプには楽しいこともたくさんあるが、大変なこともたくさんある。
  キャンプは人生と言い換えることもできると思うのだ。
  
  自分の人生を様々な人間関係の中で主体的に楽しんで生きていく力を、
  子ども時代のキャンプで身につけてほしいと願っている。
  そこにガイア自然学校が貢献できると信じている。

  
  さあ、キャンプを楽しもう!
  【文:守屋 謙】