最近、「協調性のある子に育ってほしい」と願う大人の想いを感じる機会があり、
  協調性について考えた。
  
  
  ガイアキッズでは、年間班というものを作っていて、
  年間を通して参加する子ども達6人に、年間担当リーダーが1人いる。
  班の子ども達同士の関係や、担当リーダーと子ども一人ひとりの関係が深くなること、
  親御さんとのコミュニケーションが増えることをねらっている。
  
  関わり合いを重ね、年度末までの活動回数を意識するようになるこの頃、
  班の子どもたちに対する年間担当リーダーの想いも強くなっていることを感じる。
  
  「班のみんなで活動したい」、「班の子ども全員とあそびたい」、
  「班の子どもが活動に揃わなくて寂しい」などの気持ちが、ふりかえりの場で聞かれることも多い。
  そんな熱い想いを大切にしつつ、僕が考える「協調性」について、
  リーダーにも親御さんにも伝えたいと思う。
  
  
  ガイア自然学校の活動はあそびだ。
  あそびは無目的でいい。やりたいことをする、やりたくないことをしない自由があそびにはある。
  (やりっぱなし好き放題していいということではない。)
  一人ひとりのやりたいことが違っていて当然だから、
  全員そろって同じことをやりましょうという活動をしていない。
  
  それぞれが別々にやりたいあそびに熱中している場は、
  とてもエネルギッシュで子どもたちは輝いている、と僕は見ている。
  
  
  他の子のあそびに合わせて自分を表現できないでいる子、
  大人側の都合や理由でまとまってほしい時に素直に聞いて動いてくれる子のことを、
  協調性があると表現するのは少し違うと思う。
  そもそも子どもの立場からすれば、自分の意思とは無関係に勝手に決められた班とリーダーだ。
  相性もある。
  
  一人ひとりが最大限やりたいことができるように、
  たくさんのGリーダーたちが協力して安全な場を作っている。

  
  
  また一方で、あそびの中で自然と協力する姿、関わり合いを楽しむ姿もよく見られる。
  
  11月の「火とあそぶ」ではかまどづくりでレンガを協力して運び、
  片付けでは力を合わせて一輪車を動かしていた。
  
  12月の「風とあそぶ」では巨大な雪玉づくりのために、
  全身を使って何人もが一緒に雪玉を転がしていた。
  
  僕は、「人は本来、人と関わりたい、協力したいと願っている生き物だ」と感じたし、
  「協調性とは思いやりや優しさを届けることだ」と思った。
  
  
  そんな協調性が自分の中から発揮され、経験するための場や関係を作る支援を、
  Gリーダーがあそびながら行っているのだ。
Gリーダーの責任と貢献は少なくない。
  
  「自分の気持ちを大事にしながら人を思いやること。」ガイアがいつも大切にしていることだ。
  【文:守屋 謙】