「自分が好き!」って言おう!
  
  
  今年は暖冬で雪が少なく、雪とふれあう機会も限られている。
  大人にとってはやっかいな雪も、子どもたちにとっては綺麗で楽しいもの。
  ガイアでの雪あそびやスキーの活動も大半を終え、
  すぐそこまで春が近づいている。
  
  今シーズンもたくさんの子ども達が、
  「スキー楽しかった!」「スキーうまくなったよ!」と笑顔で話してくれる度、
  とても嬉しい気持ちになった。
  同時に「自己肯定感」という言葉が頭に浮かんでいた。
  
  
  日本人は世界中の人に比べて自己肯定感が低いと言われているらしいが、
  手前味噌ながら、ガイアに来ている子ども達の様子を見ると、
  自己肯定感の高い子が多いなぁとしみじみ感じている。
  
  もちろん親御さんの愛情に勝るものはないが、
  何故かと考えた時、まず第一に自分のやりたいこと、好きなことを
  のびのびやっている
ということが大きいと思う。
  自分の経験から言わせてもらうが、
  逆に好きなことをやれないことや、やりたくないことをやらされるということは、
  自分をどんどん嫌いになっていく要因だ。

  今という時間を、大きく言えば
  自分の人生を無駄にしているような感覚になるのだと思う。
  (自分の場合、実際は無駄ではなかったのだが・・・)
  
  
  もう一つは、スタッフやGリーダーと関わる中で
  「自分の気持ちを受けとめてもらえた」という体験を重ねていること。
  「他者に認められた」体験があるからこそ、
  「自分が自分を認める」ことができるようになると信じている。

  
  時々、「褒める」ということと混同されがちだが、
  褒められる体験が必ずしも自己肯定感を高めるとは限らない。
  例えば、何かができた時、それが自分のやりたいことではなかったり、
  興味のないことであれば、褒められても特に嬉しくないものだ。
  
  また、褒めるという行為にはリスクもある。
  依存的な子どもにとっては褒められなかった時に、
  自分はだめなんだと思ってしまうリスクだ。
  
  「褒める」と「認める」の違いは、教育者にとって重要だ。
  
  子ども達のやりたいこと、好きなことを全力でやらせてあげたい!
  そして何かができるようになった時、できなかった時は、
  その嬉しい気持ちや悔しい気持ちに共感してあげたい。
  そんな想いを持った大人に囲まれて、
  子どもは「自分が好き!」と言えるようになるのだと信じている。
  
  それにしても、スキーってちょっと特別だ。
  とにかくスキーは子どもに自信をつけさせてくれる。
  やりたいと思えば、誰でも滑れるようになるし、
  過去の自分との比較の中で、自分の成長を実感しやすい活動だ。
  「おれ、スキーめっちゃうまいよ。」という声が聞こえてくると、
  ニヤリとしてしまう今日この頃である。
  【文:守屋 謙】