「スイカが食べたい!」
  先日実施した3泊4日の海ぞくキャンプ2日目で、女の子の班から出た言葉でした。
  他にも、「暑い」「風がない」「蚊がいる」「テントが狭い」「退屈」「つまらない」
  「班を変えてほしい」「帰りたい」と、たくさんの不満がリーダーにぶつけられました。
  
  ガイアのキャンプは口が裂けても至れり尽くせりとは言えません(笑)。
  最低限のキャンプ道具や遊び道具を持っていき、生活を送っています。
  食事もいつも豪華なものをお腹いっぱいとはいきません。
  例えばイスがなかったり、銛や虫取り網は班に数本だけだったり、
  まだおかわりしたくても、もう飯ごうにはごはんが残っていなかったり。
  そんな環境の中では、不平不満が出るのも当然と言えば当然かもしれません。
  
  キャンプは、普段の生活の中で当たり前と思っていることが当たり前じゃなく、
  誰かがやってくれていることを自分でしないといけないし、
  テレビやゲームなど外部からの刺激的な遊びや娯楽がない環境です。
  自分の都合通りにはいかず、「足りない」だらけです。
  
  なぜ僕らはそんなキャンプをするのか、親は子をわざわざキャンプに行かせたいと思うのか。
  想いは同じだと信じたい。
  
  それは、
  「当たり前」に気づくこと、
  周りの人に感謝し協力すること、
  限りある資源で、自分で考え何とかする力、
  自分の感情に気づき、向き合い、解決する力、
  自ら楽しみを見つけ、「今ここを生きる」こと。

  
  でも僕はこれらをキャンプの目的として声高に叫ぶのはあまり好きではなく、
  いや正確に言うと押しつけるように掲げて教育色を強く出すのが好きではない。
  キャンプという自由なあそびの中でその子のタイミングで気づいてほしい。
  
  3日目、彼女たちは海に入り、みんなでタコ探しを楽しそうにしていました。
  最終日、テントサイトの周りを鬼ごっこで走る彼女たちには満面の笑顔。
  スイカはなかったのですが、彼女たちの心の中で何が起こったのでしょう。
  
  自然の中で生活しながら人と人とが触れあう中で生まれるものは、かけがえがなく、
  美しく、奇跡的で、素晴らしいなぁとしみじみ感じいるのでした。
  やっぱりキャンプは楽しい!