5月の各プログラムの活動後に、放課後会という場を設け、
  親御さんのいろいろな声や気持ちを聴くことができた。
  
  中でも印象に残っているお話があるので紹介したい。
  
  「ガイアに子どもを預ける目的が以前と今で大きく変わった。
  以前は子どもにいろんな自然体験をさせてあげたいという気持ちだったが、
  今は自然とか体験はどうでもいい。それならガイア以外の団体でもやっている。
  子どものやりたい気持ちを認めてくれて、
  自由に居させてくれる場としてガイアに価値を感じている。

  日常にはない環境だから、今は1分でも長くガイアに居させたいと思っている。」とのお話だった。
  
  具体例としてその親御さんは、
  森のようちえんで行ったイモほり遠足の時に、行きたくないという
  わが子の意志を尊重して、別のあそびをさせてくれたことを挙げ、
  いたく感動していた。
  
  お話を聴き、
  ガイアで大切にしていることをこの親御さんが実体験として感じて理解し、
  その人の言葉で伝えてくれたことが嬉しかった。
  
  イモほりの場面は僕も覚えていた。
  
  この時は、その子のやりたいことや行きたくない気持ちを認めた上で、
  受け入れるだけの体制(例えば寄り添うスタッフの人員がいる
  という安全面の保障)を取ることができたからこそ、
  行かない選択をオッケーとしていたのだ。(それも想定して体制をとっていた)
  
  ガイアは自由だといっても、
  すべて好き放題に何でもできるというわけでは決してない。
  
  けれどやりたい、やりたくないと思う気持ちそのものは
  否定されることなく受けとめ、認められる場であることは約束したい。
  
  結果、要求が通らない場合でも、
  気持ちを認められた子ども自身の心が自由になっていくと信じている。
  
  
  
  根っこには理念がある。
  
  子どもたちがやりたいことを自由にやれるような
  環境作りに努力することを大切にしようということ。
  
  子どもは、僕たちが大人主体で考えるプログラムの実験台ではない。
  
  大人は自分の正直な気持ちにも耳を傾け、それを子どもにも表明しながら、
  子どもが自由に主体的に生きるための支援者になろうというスタンス。

  
  そんな関わりができる大人で居られるよう僕自身も含め、
  Gリーダー一同、日々勉強中である。          
  
  【文:守屋 謙】