この夏のキャンプは雨が多かった。
  
  沖縄無人島キャンプでは日中だけでなく、
  夜中ビーチで寝ている時にスコールに見舞われ、
  海とあそぶキャンプや海ぞくキャンプでは深夜の大雨でテントが浸水した。
  ムシキャンプでは夕ご飯の野外自炊をタープの下で
  雨をしのぎながらなんとか作って食べた。
  日帰りのスノーケリングのプログラムは台風の影響を考慮して延期にした。
  (ガイアが雨でプログラムを延期にするのはかなり珍しい!)
  
  多くの親たちはせっかく行かせたキャンプでの雨を嘆き、とても心配する。
  当然といえば当然だが、それに反して子どもたちのたくましさには
  目を見張るものがある。
  
  特に沖縄無人島キャンプでの雨は貴重な真水のシャワーであり、
  まさしく天からの恵みだと感じるため、みんなよろこんで雨に打たれる。
  テントやバケツにたまった水を取り合って浴びるほどだ。
  
  個人的な考えとして、キャンプで雨は降ったらいいと思っている。
  もちろん降らなければ降らないでいいのだが(笑)。
  
  なぜなら、自分たちの力ではどうしようもない自然の営みを
  最も身近に感じられるのが天気だからだ。
  
  自分がコントロールできないことに対して不平不満を言っても何も変わらない。
  変えられるのは自分だけ。

  
  自分の装備を整えて自然に対応したり、感情を切り替えて今ここを楽しむ、
  楽しむまではできなくても不安を取りのぞき平常心でいることを
  実体験を通じて学ぶチャンスだ。
  
  これは子どもたちが大きくなって社会に出て仕事をする時に、
  必要とされる力ではないだろうか。
  
  「なんとかする」たくましさ、これこそまさに「生きる力」だと思うのだ。
  
  でもこんなことを考えていながら、
  目の前の子どもたちは雨の中でも楽しんでいる。
  そんな光景を見ていると、この力はもともと人間に備わっているんだなぁ
  とつくづく思う。
  もしかしたら大人になるにつれて失っていくものなのかもしれない。
  
  生きる力は学ぶのではなく、忘れずに発揮するのだ。
  子どもたちから学ばされることは山ほどある。
  
  雨の中走り回った日々、雨に打たれてあそべる心、
  そしてそんな中一緒にあそんだGリーダーのこと、
  夜中に浸水したテントの中の水を黙々と雑巾で吸い出す大人たちの背中を
  ずっと忘れないでいてほしい。
  
  さあ夏キャンプ後半も楽しんでいこう!
           
  
  【文:守屋 謙】