事務所の時計の針は22時を回っていた。
  
  8月のあるキャンプ終了後、備品の片付けとGリーダーのふりかえり、
  子どもたちへの手紙書きなどが終わった頃にはこんな時間になっていた。
  
  夏キャンプのアンケートを返送いただいた中で、たくさんあった嬉しい言葉のうちの1つを紹介したい。
  「下調べ、打合せ、当日の目くばり、本当に大変だったと思います。
  毎回、Gリーダーの方々の意識の高さに頭が下がる思いです。
  当日を迎えるにあたって、どれほどの時間を費やしているのか。ありがとうございました。」
  
  Gリーダーのことを認めてもらうことが、何より自分自身がとても嬉しく思うのです!
  そんなGリーダーたちのキャンプ運営舞台裏を少し紹介できればと思う。
  
  ガイア自然学校のキャンプは家族や友達でのキャンプとは違う。
  
  責任者としてのディレクター(私と大参)や、
  キャンプの企画運営を中心に行うプログラムディレクター、備品管理や裏方役のスタッフを仕切り、
  様々なサポートをするマネジメントディレクター、そして参加者である子どもたちと
  一番近くで関わるグループカウンセラーという構造で行う組織キャンプだ。
  ディレクター以外の役割は全て、Gリーダーがキャンプごとに立候補して進めている。
  
  「子どもたちが安全にのびのびと、自分らしく楽しめる場をどのように作るか」
  ひたすら考えて準備し、当日を迎える。
  
  活動当日の朝にGリーダー全員で復唱している「CLOSE」という言葉があるので紹介したい。
  
  Campers first   参加者のことを第一に考えよう
  Low impact    自然環境に優しい行動をしよう
  Open mind     偏見を持たず広い心を持とう
  Safty management  安全管理を常に意識しよう
  Expedient think    臨機応変に考え行動しよう
  
  簡単なようで難しく、深い言葉だと思う。
  
  キャンプ中は個々が自分で考えて子どもたちの安全や気持ちに気を配りながら、
  自らも楽しむパワーを発揮する。
  気持ちを受けとめたり、あそびを引っ張ったり、着替えや荷物整理の手伝いもするし、
  テントでは子どもに蹴られながら寝たり寝られなかったりする(笑)。
  夜のふりかえりでは子どもたちと関わって感じた自分の気持ちを語って涙したり、
  それを先輩に受けとめてもらったり。
  そんな全力の彼らは1つのキャンプごとに確実に成長していく。
  Gリーダーに憧れる子どもたちは少なくない。
  
  人として優しくたくましくなっていく彼らの成長が、
  ガイア自然学校の成長へつながっていくと信じている。
       
   【文:守屋 謙】