「あったかい雰囲気」とは、何とも曖昧な表現だと思う。
  だが、ガイア自然学校でとても大切にしていることであり、
  良さでもあり、他にはない強みでもあり、
  風土として永く残し続けていきたい重要なものなのである。
  
  
  今年度からガイアの森に活動場所を移している
  森のようちえん10月の活動でのこと。
  諸事情で解散間際に参加した。
  その日は解散後に、保護者も自由に参加して
  遊んだりお話したりする「ほうかご会」を用意していた。
  が、こちらの期待を大きく下回る参加数で残念な思いをした。
  夜のふりかえりでは、迎えに来られる親御さんの動線を
  タープや看板でふさいでいるように見えたことを、
  遅れて参加したからこそ客観的に感じることのできた僕から伝えた。
  
  そして11月の活動時、今までと違ったタープなどの配置で、
  迎えに来られる親御さんも輪に迎え入れ包み込むように臨むと、
  解散後も多くの親子が遊んだりリーダーと立ち話したりする、
  あったかい時間が流れたのだ。
  
  何が言いたいのかと言うと、
  決して自分の助言がどうこうということではなく、
  見えない想いを見えるカタチにする行動が、
  おもいやりである
ということなのだ。
  そしておもいやりを届けあっている場が、
  「あったかい雰囲気」を生み出す
と思っているのだ。
  
  もうひとつ、10月の森のようちえんのふりかえりで自分の気づきがあった。
  
  「あったかい雰囲気を生み出すには、
  関わる大人が楽しむことが大事」
という話。
  
  僕自身は普段の活動の時、
  「子どもたちはみんな楽しんでいるか」ということに、
  立てたアンテナの多くを使っている。
  言いかえると、リーダーが楽しくなさそうにしていても、
  現場では「それも修行」と思ってあまり関与しないことが多い。
  夜のふりかえりで本人の気持ちを聴ける時もあるが、
  いわゆる「モヤモヤ」をため込んだりそれに向き合えないリーダーもいる。
  でもそのモヤモヤがボディブローのように効いてくると、
  ガイアの活動や人間関係そのものが楽しくなくなったりするものだ
  ということを経験から知っていたし、その夜に改めて気づかされた。
  
  楽しんでいない大人たちや
  お互いの関係が良くない大人たちがつくる場では、子どもたちも楽しめない、
  というシンプルな気づき。
  
  つまり、子どもたちがのびのび遊べるあったかい雰囲気の場は、
  いい関係で楽しんでいる大人じゃないとつくれない!
ということ。
  
  だから自分のやるべきことは、
  活動中に暗い顔をしたリーダーに関わっていき、
  おもいやりを届けていくことだ。
  そして何より、自分自身がもっともっと楽しもう!と思ったのでした。
  【文:守屋 謙】