9月26〜28日の3日間にわたって実施された、
  4年生Gリーダー企画によるプロジェクトG研修「わじまっぷ」。
  
  氷見駅から輪島駅まで約85キロを、テントを持たずに歩くという研修だ。
  僕も含め職員3人もリーダーたちの班に入り、一緒に歩いた。
  氷見の海岸線から山に入り、峠を越えて中能登町へ。
  そこから七尾市の和倉温泉街や能登島のバス停や公園で夜を明かした。
  翌日は午後から雨も降り出す中、
  中島町から穴水町の市街地を抜け、再び峠を越えて輪島へ。
  街灯のない国道沿いを雨の中黙々と歩き、
  またまたバス停やトンネルで雨と暗闇をやり過ごし、
  深夜から明け方にかけてそれぞれの班が輪島の道の駅にたどり着いた。
  
  何のために歩くのか、なぜこんな研修をしているのかと、
  道中に考えたリーダーもいただろう。
  
  いろいろな想いが詰まった研修だが、
  あえて一つに絞って言うならば、「Gリーダー同士の絆を深めること」だと言える。
  それぞれが疲れていて大変で、痛みや苦しみを抱えながらも歩き続けた2日間には、
  仲間がいるから笑いあえたり歌ったり涙したり感動できる瞬間が生まれた。
  
  
  僕も歩きながら感じて考えたことがあった。
  
  前を歩いてみんなを引っ張っていると感じた時間には、
  後ろで後輩を気にかける先輩リーダーの優しさがあった。
  
  一番後ろを歩いてみんなを支えていると感じた時間には、
  一人ひとりが自分の足で力強く前に歩いていく尊さを感じたのだ。
  
  これは僕の中で、ガイア自然学校の代表としての自分だけでなく、
  一人の父親としての自分に重なった。
  
  子育ては自分達だけでするよりも、
  家族、仲間、地域の人たちの優しさに子ども自身が触れ、
  自分達は子どもが自らの足で立って歩いていくことを支える形の方が幸せだと思った。

  
  言い換えれば、躾だ教育だと言って、
  子どもによかれと思ってやったことが子どもを振り回すことになり、
  子どもの主体性を抑えつけてしまうよりも、
  つかずはなれず見守り、他者と関わりながら様々な価値観を学び、
  自由に生きる子どもを支える存在でいたいと思ったのだ。
  
  
  ガイア自然学校でたくましく成長していくGリーダーも
  一人ひとり輝いて大人になっていく。
  Gリーダーのいろいろな個性、言葉や行動から伝わる価値観が
  子ども達に伝わるものは小さくないと思っている。
  責任重大でもあるがやりがいにもなる。
  
  
  そんな多くの人が育ちあえる場がガイア自然学校であり、
  10年間続けてこられたのも多くの人の優しさや支えがあったからだと実感している。

  
  さあ、次の10年も多くの人との絆を深めながら歩き続けよう。
  【文:守屋 謙】