自分のことをお話しさせて頂こうと思う。
  
  僕は子どもたちとの活動中、「心ここにあらず」という状態になることが時々ある。
  こんなことを言うと、親御さんを心配させてしまうかもしれないが、
  安全を見守る目は働いているのでご安心頂きたい。
  
  言い換えれば、「今ここを楽しめていない」という状態だ。
  そういう時は大抵、体も疲れていて、人と関わることをせずに一人でいることが多い。
  
  ガイアで活動している空間では、
  子ども達が今ここを全力で楽しんでいてGリーダーもエネルギッシュに遊んでいるのに、
  同じ場を共有しているはずの自分が距離感や孤立感を感じてしまうのだ。
  
  でもそんな時、「ラガー一緒にあそぼ!」と誘ってくれる子がいたり、
  僕に無茶ぶりしたりちょっかいを出してくるGリーダーがいたり、
  活動後にとても嬉しい言葉をプレゼントしてくれる親御さんがいたり、
  優しくしてくれるスタッフがいる。
  
  そして、元気になっている自分に気づく。
  自分は人から元気をもらっているなぁと反省する気持ちと感謝する気持ちが同時に生まれるのだ。
  
  
  
  ガイアで大切にしている主体性は、人間関係においても言えることだ。
  自分から人と関わっていくこと、話しかけてみること、聴いてみることを通して、
  自分の周りにいるいろいろな人との関係が楽しく良いものになることが、
  何よりその人自身にとって毎日を楽しく生きられることにつながると思う。

  
  子どもたちやリーダーには、いろいろな人とコミュニケーションをとり関係をつくる力を身につけて、
  それぞれの夢を叶えてほしいと思っている。
  
  一人だけで叶えられる夢はないと思うからだ。
  
  
  自分がそのような主体性を常には発揮できない時もあるが、人間だから必要だとも思う。
  人は支え合って生きていることを実感できるからだ。
  
  それでもやっぱり僕は、自分から元気をプレゼントできる人間になりたいと思う。
  エネルギッシュな人でいたいと思う。
  
  
  夏頃から直感的に、新たなチャレンジをしたいと思っていた。
  
  20代は自分の道を模索し、不完全燃焼のあり余るエネルギーを、走ることで昇華した。
  30代はガイア自然学校の事業運営に奔走している。
  
  39歳になった今、来たる40代を元気に生きるため、
  そして新たな自分に出会うため、また走ろうと思った。
  
  「富士山を走って登りきる」という目標を達成したい。
  
  その過程を通じて、周りにいる人たちに勇気や元気を届けたいし、
  一番近くにいる家族に「がんばる男の背中」を見せたい。
  【文:守屋 謙】