この通信が届く頃には、今夏の暑さも峠を越しているだろうか。
  
  先日、中2の息子のサッカーチームの監督からの依頼で登山合宿を企画し、
  父親ボランティアとして実施してきた。
  
  称名滝登山口〜大日小屋に宿泊し、大日連山縦走、雷鳥沢から室堂、
  少しバス移動、弘法から八郎坂を下る1泊2日のルートだ。
  子ども達にとっては、気力体力とも使い果たしたハードな合宿だった。
  
  最後に監督の話にあった言葉が僕の心にも残った。「かっこいい大人になれ」
  
  かっこよさは人それぞれの価値観によるものだし、大人という言葉に含まれる意味も様々ある。
  だからこそ自分にとって何がかっこいいのか、
  自分が思う大人とはどんな人間なのか、を考えさせられる言葉だった。
  
  
  ガイアにおいては、僕はGリーダーに対して「大人になれ」と話すことがある。
  その意味は、2つ。
  
  利他の行動と主体的な行動だ。
  
  自分のことだけじゃなく周りのことを考えて、誰かが喜ぶような行動をしてほしい。
  場を見て状況判断し、自分で考えて決めて、率先して行動してほしい。

  
  
  Gリーダーは高校を卒業して入学してきたばかりの1年生から、
  ガイアや大学や社会の中で成長してきた最高学年の4年生まで幅広い。
  
  その差は小さくないが、だからこそ多様性のある組織の中で目指す人がいて、
  個々が成長していける場なのだ。
  
  そう考えると、普段通う学校とは違う子が集まってくるキャンプという多様な場も、
  子ども達にとって大人へと成長できる機会だと思う。
  
  
  先の海ぞくキャンプ、3泊4日という長期キャンプの中である子の変化が顕著だった。
  
  1、2日目は食事づくり、配膳、後片付けなどの所々で自分勝手な行動が多かったのだが、
  3、4日目となると率先して食事づくりを手伝うようになった。
  
  その変化のきっかけとなったのは、他の子との衝突やGリーダーからのアウトプットだったと思う。
  子どもは言葉だけでなく手が出てしまうこともあるが、正直にアウトプットできる力を持っている。
  
  また小学生の子どもたちが、同じ参加者の中高生のお兄ちゃんお姉ちゃんに遊んでもらったり、
  高校生の参加者の子がGリーダーになりたいと打ち明けてくれたのだ。
  
  そういった人と人との関わりやつながりが生まれる場を、これからも守り続けていきたい。
  そして自分もかっこいい大人になれるよう、努力し成長し続けていきたい。
  【文:守屋 謙】