2月中旬に開催したレンジャーズ「スノーチュービングに挑戦!」は、
  当初計画していたキャンプ場の雪不足を理由に、会場を自然の家に変更して行った。
  
  雪があるありがたさ、急な利用申込を承諾していただいたこと、
  参加してくれる子ども達、預けてくれる親御さんに感謝しつつも、
  いろいろなルールや禁止事項に従わざるを得ず、
  自分のイメージしていた「自由にあそぶ」活動があまりできないもどかしさがあった。
  
  ただ自分のもどかしさとは関係なく、子ども達は楽しんでくれたし、
  Gリーダーは与えられた範囲と条件の中でいつものガイアらしい場を作ってくれた。
  
  計画では森の中や広い急ゲレンデ斜面を自由に滑ったり、
  コースを手作りしてあそびたかったのだ。
  
  もちろん、斜度によるスピード、手作りするジャンプ台の高さなどでリスクは生まれる。
  でもそれらを感じながらもスリルいっぱいあそぶこと、
  ちょっと勇気を出して挑戦してみるおもしろさ、その結果としての失敗と成功、
  そして新しい自分と世界を知ることの楽しさを、子ども達に体感してほしかった。
  
  それがレンジャーズらしさだろう。

  
  
  言い換えれば、「自由と責任」をあそびを通して学び、「自立する力」を育みたいのだ。
  
  「自由と責任」を学んでほしいとはいえ、子どもに大けがをさせるわけにはいかないので、
  過不足なくサポートできる人を目指して日々子ども達と関わっている。
  
  人生という旅において、親や家族や仲間は伴走はしてくれるかもしれないが、歩くのは自分自身だ。
  子どもに「自立して生きる力を」と思うのは、先に逝く親の共通の願いだろう。
  そしてそれは、ガイア自然学校のスタッフやGリーダーの願いでもある。

  
  
  思い返せば、自分にとってはガイア自然学校をやっているのも「自立」したいからだ。
  
  インフラのない山を開拓して、ガイアの森として使っている理由もそうだ。
  今、僕が取り組んでいる大工仕事も、
  知らないことやできないことだらけで思うように進まずもどかしい。
  でも仲間の協力があって、少しずつ知識と経験と能力を手に入れると、
  自由の幅が広がっていくことを実感している。
  
  2010年度から仕事としてガイアをやってきて今年度で10年、
  大きな犠牲や捨てたものもあるが、それ以上に得てきたことがある幸せ。
  
  自立したい、自由に生きたいと思いながら、たくさんの人に支えられ、助けられているのが現実。
  これからもこの生かされている命を懸けて、続けていきたい。
  【文:守屋 謙】