この原稿を書いている4月16日現在、
  新型コロナウィルス感染拡大の影響により、
  ガイア自然学校も今までに経験したことのない状況になっている。
  
  4月初旬からのGリーダーの研修は中止。
  新入生の勧誘活動は大学から禁止もされているため行えず、
  SNSを使った情報発信のみを行っている状況だ。
  例年のように新しいGリーダーが入ってきてくれるのか、誰にもわからない。
  
  4月末のレンジャーズは中止し、ゴールデンウィーク明けから予定している
  ガイアキッズや週末型森のようちえんの開催も、
  この先の状況次第では何とも言えない。
  
  「屋外の活動だから」という理屈だけでは安心できない状況になっている。
  
  小中学校の休校が長引けば長引く程、
  夏休みが削られていく可能性が濃厚になってくる。
  Gリーダーたちの通う大学の夏休みも削減されるだろう。
  夏のキャンプ事業を行えないとなれば、自転車操業のNPOとしては大打撃だ。
  
  毎日テレビや新聞やネットから浴びせられるように入ってくる暗いニュース、
  そして団体の将来に対する不安で気分が落ちかける。
  
  自分だけでなく会員の皆様にとっても、
  お子様のこと、お仕事のことについての不安は尽きないと思う。
  
  日本中、世界中の多くの人達が、
  つい数か月前までの当たり前の日常とのギャップに苦しんでいる。
  
  
  そんな状況下でも、「ガイアの森のようちえん」については、
  少人数かつ完全な屋外での保育であるため、対策を行いながら毎日開園している。

  
  今日も、森でかけっこリレーで全力疾走したり、サッカー対決で汗をかいたり、
  枯れ木から出てきた見たことのない虫の色鮮やかな姿に感動したり、
  山菜をとってきて天ぷらで食べたり、おしっこを漏らした子の着替えを手伝ったり、
  悲しくて泣いた我が子を抱きしめたり、たき火で煙まみれになって1日が過ぎた。
  
  自分にとっては
  子どもたちの笑い声が響く当たり前の風景があることが本当に嬉しいし、
  保護者からも今この場があることの感謝の言葉をいただけるのでさらに嬉しく、
  使命感も感じる。
  
  
  「子どもが自然の中で自由にあそべる」ということの価値を
  今ほど感じられる時はないだろう。
  
  ガイア自然学校が行っている活動がレジャーではなく、
  子ども達にとって必要な活動であり、
  保護者や社会に求められる事業であるという認識を持ってもらえるよう、
  もっと発信して表現していかなければと思う。

  
  それがガイアの生きる道。
  【文:守屋 謙】