昨年のステイホームの日々とは違い、今年度は5月の連休明けから子ども達との活動がスタートした。
週末型森のようちえんやガイアキッズなどの日帰り活動で、
例年以上に多くの子ども達が参加してくれている。
コロナ禍だからこその自然体験活動の価値を認めてもらえていると感じ、
感謝するとともに身の引き締まる思いだ。
引き続き感染症対策を行いながら、安全に活動していきたい。

そしてもうすぐ夏がやってくる。
ガイア自然学校の夏の活動では、たくさんのキャンプで多くの子ども達が出会う。
普段の日帰り活動では得にくい共同生活体験、自然豊かなフィールドでの感動体験、
そしてゆったりした自由な時間の中で、
それぞれのやりたいことに挑戦できる環境はガイアのキャンプならではだ。

参加する子ども達や送り出す親御さんにとって、キャンプに期待するものは何だろうか。
例年キャンプ参加後に返信頂いているアンケートを読み返してみた。

まずは安全に帰ってきたこと、そして楽しんで帰ってきたことに対する満足。
それに加えて、友達と仲良くできたこと、たくましくなったこと、
親にはできない体験をできたこと、子どもの気持ちに寄り添ってくれたこと、
くたくたになるまで思いっきり遊んで帰ってきたことなどについて、
多くの感謝の言葉を頂いている。
アンケートを読み返す時間というのは、僕にとってご褒美の時間だ。
子どもや親御さんからの喜びの声を受け止めながら、
子ども達一人ひとりの生きる力が育っているなぁと嬉しくなるのだ。

文科省が唱える「生きる力」は、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の3つの柱でできている。
教室を飛び出したキャンプという予定調和でない環境で、子ども達は確実に生きる力を育んでいると感じる。
たき火での野外料理では、なかなか起きない火に悪戦苦闘する子が多いが、
ガイアのキャンプに慣れた高学年の子どもたちは、何が大切かを知っている。
知恵を活かして考え、状況に対応する力が育っているのだ。

また、聴く、話すという気持ちのコミュニケーションを大切にするガイアでは、
プログラムを進めることよりも、キャンプ中の子ども達の気持ちの変化にアンテナを立てたGリーダーが
常にサポートしている。

自分勝手が過ぎる子には、班のメンバーから率直なフィードバックがあるだろう。
でも、気持ちをやりとりするからこそ、子ども達は班のメンバーと仲良くなれるし、
自然と協調できるようになってくる。

そして、よく遊び、よく食べ、疲れ果ててぐっすり眠る健康的な生活体験は
子どもが子どもらしくあるために必要だ。
五感を通して自然と人と触れ合う中で、子ども達一人ひとりが成長する夏になることを今から願っている。     
     【文:守屋 謙】