夏の水辺での活動を前に、毎年Gリーダー研修で行っている「水上安全法研修」は、
とても大事な研修と言える。
それは「水の怖さ」を知り、また「自分の力の無さ」を思い知る研修でもあるからだ。
行っている内容は、まず自分が浮けるようになることであったり、潜水法、
着衣時の泳法、飛び込み体験と、道具を使った救助法などだ。

ガイア自然学校の水の活動では必ず使用してあたりまえになっている
ライフジャケットについても、装着していない時や正しく使用できていない時
にどうなるか、身をもって体験することでその偉大さを知れる。

子ども達が大好きなのに普段できる環境が少ない「飛び込み」についても、
何がどうなると危険かということは、実際にGリーダーが飛び込んでみないとわかならい。

研修を行ったプール施設の係員の方の物言いたげな目に映った
「ただ飛び込んで遊んでいる…」という誤解は、これを必死に熱弁したことで
理解に変わったはずだと信じたい。(笑)

最後には、溺れている役をするリーダーを体ひとつで救助しようと試みる体験を行うが、
ほとんどは共倒れして溺れかけて水を飲み、本当に怖い思いをするのがオチだ。

何が言いたいかと言うと、
「知識」を「知恵」につなげていくためには、「体験」が必要だということだ。
今の時代、情報があふれている。
子ども達の検索力はあなどれない。ユーチューブで調べれば、やり方まで動画で詳しく知ることができる。

子ども達と触れ合っていても、いわゆる物知りな子はたくさんいるが、
それを使える知恵を持った子は一握りだと感じる。

ガイア自然学校が行っている事業はいわゆる「自然体験活動」と言われるが、
自然を体験するだけではないのだ。

危険の体験、生活体験、コミュニケーション体験でもある。

これから始まる夏のキャンプでは、生き物探しや海あそび、
焚き火や野外料理にテント泊、そして多くの人との関わりがある。
全てが体験であり、それらが知恵へとつながるきっかけになる。
全ての子どもが気づき、学び、大きく成長していく夏になるよう、
共に遊び笑いながら見守っていきたい。さあ来い夏!

              【文:守屋 謙】