自由に生きる力を

先日、平日通園型の森のようちえんの預かり体験に来た5歳のAくんの話。
普段、保育園や幼稚園に通っていないので母親の元を離れたことがなく、
別れ際から暴れて号泣していた。
僕が抱きかかえて落ち着いた後、たき火近くの椅子に座って約1時間、
思い出しては大泣きすることを繰り返した。
別れ際にママにギュッとしてほしかったことを訴え、
何時になったら迎えに来るのかを何度も確認したがっていた。

Gリーダーではなく僕自身が泣いている子を預かるということは
久しぶりな状況ではあったが、僕達の周りや森の方でのびのびあそぶ
他の子どもたちやスタッフのおかげもあって、穏やかな心持ちで
いることができた。
気をそらして泣き止まそうとすることはせず、
ママに抱きしめてほしかった気持ちや早く会いたい気持ちを
受け止め共感することを何度も繰り返していた。

とは言え1時間耳元で大声で聞く泣き声に、そろそろ自分の心が
穏やかではなくなってくることを感じていた時、
Bちゃんがおもらしをして着替えることに。
僕が着替えを手伝ったりBちゃんが汚れた服を洗ったりする様子を、
じっと見つめていつのまにか泣き止んでいたAくん。
僕がAくんに袋を持って手伝ってあげてほしいことを伝えると、
素直に手伝ってくれた。
それ以降一日中泣くことはなく、手をつないで森の中へ一緒にさんぽへ出かけたり、
東屋の木のぼりに挑戦したりして遊ぶことができた。

お昼ごはん後には、みんながまだ食べている東屋の周りで一人で
蝶々を追いかけて捕まえるまでに。
その後もCくんやDちゃんの所へ走ってあそびにいく後ろ姿を見た時、
僕の元を離れて「自由に生きている」Aくんを感じて
とても嬉しく幸せな気持ちになれた
のだ。


人を含めた安心できる場がある時、
子どもは自分以外の存在である他者や自然と関わりながら、
自由に生きていくことができる。
そんな力をもともと持っている
ということを、
僕自身に鮮明に追体験させてくれた一日だった。

大人になり生き方に迷うことがもしあっても、
幼少期のここでの原体験が自由に生きる力を呼び起こしてくれる。
そんなことを願い、信じながら、こうして日々多くの子ども達と
自然の中で関わっているスタッフが運営するガイアの森のようちえんが、
来年度より無償化対象施設となる。

今まで以上に子ども達の人生に良い影響を与えられるようにとの思いで、
2017年度より始めた平日森のようちえんが、転換点を迎えている。

ここを巣立っていく子ども達一人ひとりが、
ありのままの自分で自由に生きて幸せになっていくために、
僕自身もずっと元気で幸せを感じながら、がんばりたい。    

    【文:守屋謙】